【2023年8月追記】香川県漆芸研究所の漆芸作品をゴーフィールドに展示しています!


ゴーフィールドのオフィスに漆芸作品を展示しています。
2022年度は、香川漆芸研究所の修了生・小林智広(こばやし ともひろ)さんの作品「蒟醤渦文片口『朱と黒』(きんまうずもんかたくち『しゅとくろ』)」(2007年制作)。
2023年度は、香川漆芸研究所の修了生・田中孝典(たなか こうすけ)さんの作品「彫漆飾箱『冬立つまで』(ちょうしつかざりばこ『ふゆたつまで』)」(2005年制作)と、同じく修了生の菊池美穂(きくち みほ)さんの作品「存清器『まほらま』(ぞんせいうつわ『まほらま』)」(2019年制作)を展示しています。


彫漆飾箱『冬立つまで』

存清器『まほらま』

香川漆芸研究所は、香川漆芸の技法の伝承と後継者の育成を行う全国発の漆芸専門の研究所。企業・団体に作品を貸し出す制度があり、その制度を利用しました。
ウェブサイトと漆芸。分野は違えど、クリエイティブな発想はどこか通じるものがあるかも。
漆芸にふれる機会の少なかったメンバーにとっても、漆芸作品を目の前で観賞できる貴重な機会になっています。



香川漆芸とは


香川県の漆芸は、江戸後期に高松藩の鞘塗師(さやぬりし)に生まれた玉楮象谷(たまかじぞうこく)により花開きます。象谷は、京都で学んでいる時に中国や東南アジアから伝来した珍しい漆芸技法に出会い、その技術の研究に励みました。
帰郷後は高松藩の御用職人を務めながら、「蒟醤(きんま)」「存清(ぞんせい)」「彫漆(ちょうしつ)」の技法を確立させました。これらは「香川の三技法」といわれ、香川漆芸の特色となっています。


小林さんの「蒟醤渦文片口『朱と黒』」には、「蒟醤」の技法が用いられています。
「蒟醤」は、木や竹で形作った素地の上に漆を塗り重ねて、蒟醤剣(きんまけん)で模様を彫り、彫った溝に色漆を埋めて表面を平らに研ぐことによって模様を表現する技法です。
片口の側面には繊細な線で渦文様が施されています。朱と黒という漆器の伝統的な色合いを対比させつつ、どこか愛敬があり、手元に置いて使いたくなるように工夫したそうです。


田中さんの「彫漆飾箱『冬立つまで』」は彫漆技法による飾箱。
素地は「乾漆」で、緑~黄~朱のグラデーションを約45回塗り重ねているそう。
「乾漆」は、漆を主原料とした粘土を使って作品などを作る、漆塗りの技法です。
晩秋の紅葉、日射しの中を風に吹かれて舞い散る落ち葉がデザインされています。


菊池さんの「存清器『まほらま』」は漆芸と彫刻を統合させている作品です。
器物になることで生まれる日常空間と隔たれた空洞が、祠のように神聖で何かにとってのまほらまとなるよう思いが込められています。

香川県漆芸研究所の作品のレンタル方法と展示方法

香川県漆芸研究所のホームページに貸し出し先の募集要項と申込書が掲載されています。
2023年度は5~7月にかけて貸し出し先の企業の募集がありました。貸し出しが確定すると作品が届きます。企業は応接室や来客窓口、ロビーなどに展示し、香川漆芸をピーアールします。

注意事項に気をつければ、展示ケースの必要もありません。
・漆は紫外線に弱いので、直射日光が当たらない場所に設置
・急激な温度変化や過度の乾燥に弱いので、エアコンの風が直接当たらないように注意

詳しくは、香川漆芸研究所のホームページで紹介されています。
▼香川漆芸研究所 香川県漆芸研究所修了作品の無料貸出しを行います
https://www.pref.kagawa.lg.jp/shitsugei/sitsugei/news/230526.html

展示は2024年4月26日まで。
ゴーフィールドにお越しの際はぜひご見学ください。



関連サイト


▼エクスペリエンス高松 彫りの技術と色漆で独自の文化が花開いた「香川漆器」
https://www.art-takamatsu.com/jp/travel/sightseeing/entry-596.html


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